遅くなりましたが、出産の記録の続きを・・・
麻酔を打つと、先生が、ピンセットのようなもので足やらお腹をつまんで
「痛い? ここは痛い?」
と聞きます。
「麻酔は痛覚を麻痺させるだけで、触覚は残るからね。」
と言われたのですが、どうも痛いような気がする・・・
このまま切られては大変なので、大きな声ではっきりと
「痛いです!!」
と答えました。
1~2分すると、再びつまむか刺すかされて
「今度は痛い? ここは?」
と聞かれます。
左半身は痺れて分からなくなっているのですが、右は触られてる感あり。
「痛いです!! 触られてるの、分かります!!」
と伝えました。
もう1~2分して、再び
「まだ痛い? こっちは?」
先ほどと、感じ方は変わらなかったので、
「痛いです!! まだ痛く感じます!!」
と必死で訴えました。
すると、
「う~ん、赤ちゃんもいるからこれ以上強い麻酔は使えないんだ。
赤ちゃん出たら、強いの使うから。
じゃ、切るね。切って、5分もしたら赤ちゃん会えるよ^^」
とあっさり、簡単に言うじゃないですか!!
「え~!!」
と私はパニックです!
開腹が始まると、メスの動き、先生・看護士さんの触ってる感触は普通に感じます。
左半身は痛くないのに、右半身は痛みも感じるような気がします!!
もう、生きたまま腹を割かれる、拷問にあってるような痛みと恐怖と不安が襲ってきました!!
もう、私も号泣です!!
ザ・パニック でした。
でも、この状況じゃ、仕方ないと思います!
そんな私の額を看護士さんが
「頑張って!」
と子供をなだめるように優しくなででくれました。
おかげで、ちょっと落ち着き。
この看護士さんの励ましがなかったら、乗り越えられなかったかもです。
本当に本当にありがたく感じました。
いた~い!! いた~い!! いた~い!!
とパニックになってるうち、
「おぎゃーーー!」
と一声!
「あれ?」 と思ったら、すぐわかりました。
我が子の産声です^^
「あ、泣いた!」
と、真っ先に、痛みの中、私が言ったのを覚えてます。
「そうよ、はい、赤ちゃん出てきたよ!」
さすがに、感動でした。
よかった、元気で!
へそのおを処置したらすぐに、看護士さんが私の横に連れてきてくれ、触らせてくれました。
「こんにちは!! あんた、手から出てきたね!」
と声をかけました。
あ~ん、思ったよりも大きい!! と思ったのが、最初です。
でも、実際、体重は2400グラムほどだったので、小さいんですけど。
一声泣いた後は、全く泣きもせず、でも、両手足をバタバタ、本当に元気に動かしていたので、
ああ、大丈夫元気な子だ、と確信しました。
「まあ、皮膚の色とってもきれいよ! とっても元気な子!!」
と繰り返し、看護士さんが言ってくれました。
「手はどうですか?先に出てた手は?」
と聞くと、
「大丈夫、何とも無い! 元気元気^^」
これを聞いて安心しました。
しかし、安心すると、お腹の痛みがマックスです!!
今までで、一番痛い!! 表現できないほど痛い!!
普通分娩も痛い!というけれど、帝王切開もいたいじゃん!!
赤子を産むのは、どうやってでも命がけなんですね。
痛みを紛らわせる為に、そばで処置をうけてる我が子を見ることに。
でも、それも焼け石に水・・・。
しまいには気持ち悪くなってきました。
「気持ち悪い・・・」
とつぶやくと、先生からまた指示が。
「気持ち悪い!? 吐きそう? くすり入れるから!」
と、点滴に何か注入するように指示が出ました。
このくすり、なんだかわらないけど、気持ち悪さはなくなったものの、頭の中まで麻酔されてるような、
効能がありました。
気を抜くと、意識がなくなってしまいそうです。
でも、赤ちゃんはちゃんと見てないし、家族にも会ってないし、とにかく必死で意識を保ってました。
それからどのくらいの時間で処置が終ったのか分かりません。
全く動かない体を、看護士さんたちが4人がかりでベットに移してくれ、
隣の分娩室に移動になり、旦那の面会が許可されました。
このとき、旦那はテンションマックス!!
生まれたての我が子と会えるんですもんね。
でも、私はどうにか意識を保っている状態・・・。
正直、旦那のはしゃぎ様がしんどかったです・・・。
看護士さんに連れられてきた我が子は初乳を飲み始めました。
私も本当に母なんだと実感しました。
しかし、私は両手もうまく動かせない・・・。
我が子が落ちそうでも、抱きなおしてあげられない・・・。
旦那に、「ちょっと、私体動かないから、赤ちゃんお願いね」
と言っているのに、写真とったり、「どうだった?」「いやー、外ではさ・・・」
などと、興奮しきりです。
本当なら2時間くらい、このまま親子3人でカンガルーケアなんでしょうけど、
私はギブアップ・・・。
30分しない内に、看護婦さんにヘルプを求め、眠りにおちました。
麻酔のせいか、体は動かないのですが耳はずっと聞こえていました。
下半身麻酔なのに、こんなでしょうか?
父・母・弟も分娩室に入り、一言二言、眠ってる私に声を掛けて退室していきました。
それから数時間。
なんと、次の妊婦さんが運び込まれてきました。
緊急搬送で36週の経産婦さんだったそうです。
私は再び隣の手術室に移され、アコーディオンカーテン1枚向うでお産の始まりです。
この妊婦さん、産院到着20分で出産(^^;
この隣の大騒動のおかげで私の意識もしっかり戻り、目をあけると一息ついた先生がいました。
「先生、大忙しですね」
と声を掛けたと思います。
「本当に!今日はこれで4人目。手から出てくるのも本当に珍しいよ!
昨日は6人出産あったしね!」
本当に、忙しい産院です。
翌日、看護婦さんも言ってました
「いやー、勤務で2日ぶりに出勤したら、大潮でもないのに、10人も赤ちゃん増えちょってびっくりした!!」
と。
この謎の出産ラッシュに乗っかって、我が姫君も無事にこの世に生まれてこられました。
神様、ありがとう^^